
世界経済の死角 (幻冬舎新書)
河野龍太郎 and 唐鎌大輔
この本について
物価の上昇や賃金の伸び悩みを前にして、「何がどう噛み合っていないのか、自分にはもう判断がつかない」と感じることが増えました。ニュースを追ってもピンと来ないし、誰の言葉を信じればいいのかもわからない。そんなモヤモヤを抱えたまま働き続けている方は多いと思います。僕自身もその一人でした。 『世界経済の死角』は、日本の失われた数十年を「国内がダメだから海外へ」という発想や、非正規雇用の増加、賃金が上がらない背景など、具体的な制度や企業行動の積み重ねとして説明してくれます。たとえば、生産性が上がっても賃金だけが据え置かれた結果、物価まで押さえ込まれていたという指摘は、自分の実感とようやく線がつながった感覚がありました。また、対外投資で利益が出ている裏で、頻繁に特別損失が出ている現実など、普段の仕事では見えにくい「外の世界で何が起きているか」にも触れられます。 読みながら、国や企業を責めるというより、「どういう前提が積み重なると今の状態になるのか」が見えてきて、状況を少し冷静に扱えるようになりました。特に、自分の働き方や将来の選択を考えるとき、賃金・雇用・産業構造の関係を一歩引いて捉えたい人には刺さると思います。僕にとっては、経済のニュースをただ流し読みせず、自分の生活につなげて整理するための“地図”のような一冊でした。
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