
安いニッポン 「価格」が示す停滞 (日経プレミアシリーズ)
中藤 玲
日経BP / 2021-03-10
この本について
最近、「なんでこんなに働いているのに生活がラクにならないんだろう」とか、「物価ニュースを見るたびに、自分の感覚と世の中の話がズレている気がする」と感じることが増えました。自分の努力不足というより、構造そのものがよく分からないまま不安だけが積み上がっていくあの感じ、僕もずっと抱えていました。 『安いニッポン』は、そこで止まっていたモヤモヤを具体的な“理由”に置き換えてくれた本でした。たとえば、企業が値上げできず賃金も上がらない循環や、100円均一が40年以上続くことの異常さ、研究者や技術者が報われず流出してしまう現場のリアルなど、ニュースでは見えてこない裏側が淡々と描かれています。「日本人が声を上げないから」みたいな単純化ではなく、雇用制度や価格設定の文化がどう積み重なって今の状態になったのかが丁寧に説明されていて、読んでいる途中で自分の中の前提が何度も書き換わりました。 特に響いたのは、価格の安さが“企業努力の美徳”として処理されてきた結果、僕らの購買力や働き方の選択肢まで細くなってしまったという指摘でした。自分の給料や市場価値をどう捉えればいいのか、どこに改善の余地があるのかを考える入り口にもなります。 仕事や暮らしの感覚が「なんとなく合わない」と感じている人ほど、現状を整理するヒントが見つかると思います。
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