
「いきり」の構造
武田砂鉄
朝日新聞出版 / 2025-09-05
この本について
最近、議論の場に出ると「ちゃんと言わなきゃ」「間違えたくない」と緊張してしまう人、多い気がします。しかも周りを見ると、考えるより早く断言できる人が強く見えてしまって、モヤモヤだけが残る。自分の違和感を言葉にしようとしても、「気のせいじゃない?」と片付けられたり、「資格があるの?」と牽制されたりして、だんだん言う気力が削られていくんですよね。 『「いきり」の構造』は、そのしんどさを「あなたの問題」じゃなくて、今の社会が作っている構造として描いてくれます。問いより答えが重視され、沈黙しているほうが扱いやすい空気が広がると、人は考える前に「正しそうに見える言い方」へ流されやすくなる。なぜあちこちで断言が強まるのか、なぜ違う意見を出すのがこんなに疲れるのかが、言い訳でも説教でもなく、淡々と整理されていきます。 特に刺さったのは、「自分の中でゆっくり立ち上がった感情が、議論の場に持ち込んだ途端に資格を問われてしまう」という指摘でした。ああ、だから言いにくいのか、と腹落ちする。さらに、いきりに対抗して同じ土俵で“いきり返す”のではなく、考え続けること自体を手放さない姿勢を保つ、という現実的な線の引き方が示されているのも救いでした。 SNSで「言わないほうが楽だけど、それも苦しい」と感じている人には、かなり刺さると思います。自分が感じている息苦しさの正体を、静かに言語化してくれる一冊です。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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