
みんなの「わがまま」入門
富永京子
左右社 / 2019-04-30
この本について
最近、「これ言ったらわがままかな」と飲み込んでしまうことが増えている人、多い気がします。仕事でも生活でも、なんとなく“ふつう”に合わせておいた方が角が立たないし、言ったところで理解されるとも限らない。そう思うと、苦しさがあっても言語化する前に心の中で処理してしまうんですよね。 この本が面白いのは、そのモヤモヤを「あなたの性格」ではなく、「いまの社会の構造」として丁寧にほどいてくれるところです。自分の痛みが共有されにくくなっている背景とか、“ふつう”という幻想を私たちがどれほど強く握りしめているかとか。読んでいるうちに、言えなかった不満の奥にある“怖さ”が、少しずつ言葉になる感覚があります。 個人的に効いたのは、「わがまま」の定義を読み替える部分でした。単なる自己主張ではなく、よりよく生きるために周囲の仕組みや認識を少し変えていく行動なんだ、という視点。そう思うと、「これはアウトだよね…」と事前に萎縮する必要はなくて、言ったあとに周りと調整していくプロセスも含めて大事なんだと腑に落ちました。 自分の不満をうまく扱えず、「言いたいけど言えない」を繰り返している人に静かに刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの52%が集中しています。
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