
遺品整理屋は見た! (扶桑社BOOKS)
吉田 太一
扶桑社 / 2008-06-10
この本について
人の気持ちって、どれだけ想像しても結局わからないまま終わるな…と感じることがありませんか。仕事でも人間関係でも、相手の言葉の裏にある本音をつかめず、自分の受け止め方が正しいのか不安になるあの感じです。表面だけ見て判断してしまったあとに、「本当は違ったのかもしれない」と気づいて落ち込むこともあります。 この本を読んでいて、保存されていた抜粋の「問わず語りに事の顛末を聞かせてください」や、「娘を亡くした父親の深い悲しみと疲労」という部分に心が向く人は、おそらく“人の物語に丁寧に触れたいタイプ”だと思います。遺品整理の現場という、普段は踏み込めない場所で見えるのは、ドラマチックな事件ではなく、最期の部屋に残った生活の温度です。その温度が逆に、こちら側の鈍っていた感覚をそっと起こしてくれます。 効き方としては、まず、言葉になっていない感情を察するという行為そのものが、どれだけ繊細で大変かに気づけます。そして、人の弱さや情けなさを前にしたとき、自分も同じ地点を歩いているんだと変に安心できる。さらに、「ブルータス、おまえもか……」のような一瞬のつぶやきに宿る本音を拾うことで、自分の周りの人の見え方まで変わっていきます。 人の気持ちをわかったふりしたくない人、誰かの痛みに無神経でいたくない人に静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの75%が集中しています。
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