
官僚たちの夏(新潮文庫)
城山 三郎
この本について
最近、仕事で方針が揺れたり、人の思惑に振り回されたりして、「自分は何を軸に動けばいいんだろう…」と立ち止まる瞬間がよくあります。真っ正面から突っ込んだ方がいいのか、風向きを読むべきなのか。その迷いって、どんな職場でもつきまといますよね。 『官僚たちの夏』を読むと、その揺れが少しだけ整理されます。たとえば「政治は風だよ。ときには待つことだ」という言葉に象徴されるように、仕事は情熱だけでは動かせない場面が必ずある。一方で、「予算は国の金だ。主計局の連中の金じゃない」と、筋を通す局面では引かない姿もある。状況に合わせて強気と冷静を行き来する人たちの姿は、こちらの判断基準をゆっくり揺らしてくれます。 もうひとつ刺さるのは、同じ“正義”でも立場によって見え方がまったく違うこと。振興法をめぐって省内でも外部でも衝突が起きるけれど、誰も完全に悪人じゃない。だからこそ、噂や評価に右往左往する苦しさがリアルで、自分の仕事にも置き換えやすい。片山のように「のびやかに働きたい」という価値観も描かれていて、肩に力を入れすぎていた時に救われました。 使命感と現実の間で迷いがちな人、あるいは「正しい働き方なんて一つじゃないよな」と思い始めている人には、静かに効く本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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