
価格破壊 (角川文庫)
城山 三郎
KADOKAWA / 1975-06-16
この本について
仕事で踏ん張りどころが続く時って、「自分のやり方はこれで合ってるんだろうか」とか、「努力してるつもりなのに、何も変わらないな」とか、じわじわした不安が出てきませんか。周りを見渡すと派手な才能の話ばかりで、地道に積むことの意味が見えづらくなる瞬間もあると思います。 『価格破壊』を読んで刺さったのは、そういう迷いを、現場の汗と判断の積み重ねで突破していく人間の姿が、妙にリアルに描かれているところでした。例えば、メーカーから圧力が来ても地方の問屋に現金を持って買い出しに走る泥くささとか、乱売合戦の渦中で「どこまで働けるか」が実際に結果に直結してしまう流通の世界の空気とか。才能という曖昧な言葉より、動いた時間と判断がすべてになる場面は、今の仕事にもそのまま重なる感じがありました。 さらに、矢口が「若い人を信頼するしかない」と腹をくくる場面も印象的で、結局のところ一人で完結できる仕事なんてほとんどないんだよな、という現実を落ち着いて思い出させてくれます。裏目に出る可能性ごと受け入れながら、人を信じて前に進む。その感覚が妙にしっくりきました。 派手な成功談よりも、等身大の泥くささや判断の重みを知りたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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