
沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-(新潮文庫)
山崎 豊子
新潮社
この本について
仕事で理不尽に巻き込まれたり、頑張っても評価されない場所にい続ける意味を考えてしまう時ってありますよね。周りを見れば華やかに見える人もいるのに、自分だけが澱んだ場所でもがいているように感じることもある。抜け出したいけど、簡単に割り切れない。そのあいだで気持ちが揺れるあの感じ、僕もよくわかります。 『沈まぬ太陽 アフリカ篇・下』は、そうした迷いに真正面から触れてくる巻でした。事故の裏に積み重なる「見えない異常」や、差別に抗い続ける人たちの姿は、職場の小さな不公平をどう扱うかという自分の態度にもつながってきます。特に、理不尽に耐えながら踏みとどまる恩地の葛藤は、「残るべきか、離れるべきか」を考える時の基準を少しだけ揺さぶってくれます。また、やりがいある仕事を与えられない苦しさの描写は、単に努力不足では説明できない“仕事の飢餓感”に名前をつけてくれるような感覚がありました。 派手な逆転劇があるわけではなく、状況が一気に好転するわけでもない。ただ、人がどう耐え、どう折り合いをつけるかの細部が丁寧に描かれていて、自分の働き方を見直すときの材料になります。あの「これでいいのか……」という恩地の自問は、そのまま僕たちの日常にも響きます。 いまの職場で立ち止まっている感覚がある人に刺さる巻だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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