
ララピポ (幻冬舎文庫)
奥田 英朗
幻冬舎 / 2008-08-07
この本について
ときどき、自分には「これまで誇れる経験がひとつもないな」と落ち込むことがあります。周りが何かを成し遂げていく一方で、自分だけ取り残されているような感覚。努力不足と言われればそれまでだけど、そんな単純な話でもないんですよね。 『ララピポ』は、まさにその“どうしようもなさ”を抱えた人たちが登場します。彼らは才能があるわけでもなく、褒められる生き方からも遠い。でも、情けなさやみじめさをまっすぐに描くことで、逆に「人ってこんなにも割り切れずに生きているんだ」と少し肩の力が抜けるところがあります。人から尊敬されない関係のつらさや、自分の弱さから抜け出そうとしても空回りする感じも、妙にリアルで、どこか自分の一部を見ているようでした。 この本が効くのは、立ち直らせてくれるからではなく、「こういう感情を抱えて生きていても、世界は続くんだな」と視点が少し変わるところです。誰かの物語を通して、自分の中のどうしようもなさをいったん棚に置けるというか、うっちゃる感覚に近いかもしれません。 「成功体験のなさに密かに悩んでいる人」には、特に刺さると思います。体裁を取り繕わない登場人物たちと一緒に、ちょっとだけ息をつける一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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