
のぼうの城 上 (小学館文庫)
和田竜
小学館 / 2010-10-06
この本について
仕事でも人間関係でも、「正しさより損得が優先されてしまう感じ」にしんどさを覚えることがあります。理屈では割り切れるはずなのに、どうしても腑に落ちない。自分だけが場の空気に馴染めていないような気がして、黙って飲み込むしかない…そんなときに『のぼうの城』の抜粋がやたら刺さるのはよくわかります。 長親が言う「隠せば噂は広がる」「武ある者が武なき者を足蹴にし…これが人の世か。ならばわしはいやじゃ」という言葉は、戦国の話なのに現代の職場にも普通に転がっている光景と重なります。力のある側の都合で物事が決まっていく流れに、ただ従うしかないときの息苦しさ。それに対して長親は、立場も戦力も圧倒的に不利なのに、妙にまっすぐで、変に飾らず、人としての筋だけは手放さない。そこが読んでいて救いになるんですよね。 この本が効くのは、勇ましい言葉に背中を押されるからではなく、「こんなふうに迷いながらでも、こういう選び方ができるんだ」と静かに示してくれるところです。噂の扱い方や、家臣や百姓との向き合い方など、彼の決断は戦術というより生活の延長線にある人間観から生まれていて、そこが妙に現実的で、読んだあとに自分の判断も少し整う感じがします。 なので、響くのは「損得より、自分が納得できる選び方をしたい人」。戦国小説なのに肩の力が抜けて読めて、自分の小さな行動の基準を見直したくなる作品でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




