
NO.6〔ナンバーシックス〕 #1 (講談社文庫)
あさのあつこ
この本について
最近、「自分の選んだ道はこれでよかったのか」とか、「環境や運の流れに振り回されてるだけじゃないか」と感じることが増えていました。何かを失ったり、急に足元が抜けるような感覚に、どう向き合えばいいのかよくわからない。そんなときに『NO.6』を読み返したんですが、妙に現実の自分にかぶってしまう瞬間がいくつもありました。 この物語が効いてくるのは、まず「生き延びることを恥じなくていい」という視点です。生き残った負い目や、うまくいかなかった日の自己嫌悪って、放っておくとしつこく残りますよね。でも作中の言葉は、その重さを無理に慰めるんじゃなく、もっと地面に足をつけた形で扱ってくれる。それから、知ろうとすることに伴う痛みをまっすぐ描いているのも大きいです。自分が信じていた世界が崩れる瞬間はつらいけど、それでも目をそらさない人物たちの姿が、自分の行動にも少しだけ手を伸ばす余裕をくれました。さらに、人に救われるという経験の現実味が強い。ドラマチックではないけれど、誰かのひと言や存在が生きる意志につながる感じが、そのまま自分の生活にも戻ってくる。 物語としての刺激はもちろんありますが、それ以上に「壊れそうな世界でも、なお進んでいく人間」を静かに描いていて、自分の迷い方に寄り添ってくれる一冊でした。閉塞感の正体を言語化したい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
読書の順序
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