
よだかの星
宮沢 賢治
IBC PUBLISHING / 2005-08
この本について
自分のことをどうしても好きになれない時ってありますよね。誰かに悪気なく放たれたひと言がずっと胸に残ったり、「ちゃんとやってるはずなのに、なんでうまく馴染めないんだろう」と夜だけ重くなる感じ。そういうときに宮沢賢治の『よだかの星』を読むと、少し呼吸が戻るような感覚があります。 読者が保存していた場面を見ていると、よだかが必死に理由を探しながら、それでも傷つき続ける姿に惹かれているように思いました。自分ではどうしようもない「生まれつき」や「見え方」のせいで距離を置かれるつらさ。相手を傷つけたくなくて我慢してきたのに、それでも報われない虚しさ。そんな気持ちを、賢治は物語の形でまっすぐ置いてくれています。 この話が効いてくるのは、よだかが決して強くならないところなんですよね。意地を張らず、立ち直りも下手で、最後まで迷ったまま。それでも、自分のままで空に向かっていく姿が、読む側の負い目を少し削ってくれる。誰かに認められるためではなく、自分の限界の外側に一歩出てしまう瞬間が、こんなふうに描かれることがあるのかと驚きます。 無理に前向きにならなくていいけれど、「この気持ちを抱えていてもいいんだ」と思いたい時に向いています。特に、自分が場違いに思えてしまう人に刺さる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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