
硝子戸の中
夏目 漱石
オリオンブックス / 2015-10-24
この本について
忙しい日が続いてくると、自分の気持ちをうまく整理できないまま、ただ外から入ってくる情報に振り回されてしまうことがあります。誰かと話す時も、必要以上に身構えてしまって、本音を出す前に疲れてしまうこともあると思います。わたしもそうで、相手にどう見られるか気にしてばかりで、結局なにも伝わらなかったな…という日がよくあります。 夏目漱石の『硝子戸の中』を読んでいると、そんな自分の過敏さや不器用さを、少しだけ遠くから眺められるような感覚がありました。たとえば、他人に恥をかくのを恐れるあまり本当の自分を隠してしまう気持ち。その一方で、時間がゆっくり傷を癒すという事実への静かな信頼。あるいは、教える側と教わる側が実は同じように自分を開く必要があるという視点。これらは特別な結論ではないのに、生活のどこかで忘れてしまいがちなことばかりで、読みながら自分の日常と地続きでつながる感じがしました。 大きなエピソードで動かすタイプの本ではありませんが、ものごとがすぐに整わない自分を責めがちな人にとっては、心の呼吸を取り戻すきっかけになると思います。感情と理屈の両方を抱えたまま生きている人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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