
黒田如水
吉川 英治
ゴマブックス株式会社 / 2014-01-06
この本について
仕事でも人間関係でも、「自分はちゃんと考えているつもりなのに、会議や議論になると結局、枝葉ばかりいじって核心に届かない」という感覚がありませんか。人が集まっても何も決まらない、疑心暗鬼が広がると判断がぶれる、自分の怒りや悔しさが邪魔して一歩が遅れる。そういうモヤモヤに心当たりがある人ほど、『黒田如水』の抜粋を読むと妙に胸がざわつくと思います。 この本が効くのは、まず「零と零が集まっても零に過ぎない」という指摘の鋭さで、会議やチームに期待する前に、自分の“一”をどう整えるかを静かに問い返してくれるところです。それに、官兵衛の虚心坦懐さや、怨恨を雑草のように抜き捨てていく姿勢は、感情を押し殺すというより、判断の純度を上げるための現実的な態度として描かれていて、読んでいると「こういう気持ちの持ち方なら明日もなんとかやれそうだ」と思えてきます。さらに、作戦が味方によって覆される苦さや、死ぬほど悔しくても自分を見失わない登場人物たちの姿は、組織の理不尽に巻き込まれやすい現代の私たちと重なる部分が多いはずです。 華々しい成功譚ではなく、判断の迷いや人間の弱さを抱えたまま進む人間の物語を読みたい人に刺さる一冊です。自分の悩みそのものが劇的に解決するわけではないけれど、何を削り、何を残すか。その基準の輪郭が少しだけはっきりしてくる本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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