
全一冊 小説 吉田松陰 (集英社文庫)
童門冬二
集英社 / 2008-12-21
この本について
仕事でも人間関係でも、状況が思うように動かない時ってありますよね。自分の努力が空回りしている気がしたり、相手との会話が噛み合わなかったり。そんな時に限って、焦りだけが前に出てしまい、「今の自分の判断って、本当に正しいのか」と迷うことが増える気がします。 この本の松陰や黒川嘉兵衛の姿勢を読んでいると、その迷いに対して少し別の角度から光が当たる感じがしました。たとえば、相手の言い分をまず五割受け止めてから自分の考えを三割足すという黒川の向き合い方は、今日の会議でもそのまま使えるくらい実践的です。また松陰が「日々起こる事件を教材にする」と言ったように、特別な学びを待つのではなく、今の職場や生活に転がっている出来事にどう向き合うかで差がつくのだと気づかされました。さらに、失敗から生まれた自己嫌悪すら「自分を深めるための材料」にしてしまう松陰の姿勢は、自分の弱さとどう折り合うかで迷っている人にはかなり刺さると思います。 歴史の人物の話だから距離があるかと思いきや、読み進めるほど「これは自分の毎日の話では」と感じてしまう本です。特に、相手を頭から否定せず、しかし自分の中の正義だけは手放さない黒川の在り方は、仕事で板挟みになりがちな人にとってヒントが多いと思います。 自分の迷いを、少しでも前に進む燃料に変えたい人に向いています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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