
イノベーション思考の本棚
小山龍介
PHP研究所 / 2008-03-14
この本について
仕事で「もっと良い案を出したいのに、ロジカルに詰めても行き止まりになる」みたいな瞬間ってありますよね。自分もそこでよく立ち止まってしまうんですが、この本を読んで少しだけ視界がひらけました。原因は思考力が足りないとかじゃなくて、そもそも帰納や演繹では届かないタイプの問いに向き合っていたんだな、と気づけたからです。 本書が面白いのは、仮説推論やシネクティクス、パターンランゲージ、リカージョンなど、一見バラバラに見える思考の道具が「複雑な世界をどう扱うか」という軸でつながっているところです。たとえば、似ているものになりきって考える主観類推法は、机でにらめっこしても出てこない発想を、身体ごと別の視点に連れていってくれる感じがあるし、インテグレーティブ・シンキングの“手を動かしながら視点を変える”という感覚は、企画が行き詰まったときの再起動スイッチとしてかなり実用的です。さらに「黒い白鳥に順応するしかない」という指摘は、不確実な状況で無理に答えを出そうとして焦っていた自分には、妙に落ち着きを与えてくれました。 派手な成功メソッドではなく、複雑さにどう丁寧に向き合うかを教えてくれるので、「考えても考えても、どこか論理だけでは足りない」と感じている人には特に刺さる一冊だと思います。
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多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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