
ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム
古屋晋一
この本について
ピアノに限らず、仕事でも勉強でも「なんでこんなに力が入るんだろう」「正しいはずのやり方なのに、いざ本番でうまく動けない」と感じる瞬間があります。気持ちの問題じゃなくて、脳や体のクセそのものが原因なのでは…と薄々思いつつ、どう扱えばいいか分からないまま続けてしまうあの感じです。 この本は、そういう“自分の動きの違和感”を、精神論ではなく神経科学から説明してくれます。たとえば、音をイメージしてから打鍵するだけで指先の衝突が弱まり、余計な力が抜ける。あるいは、ジストニアの指を動かさず、隣の指だけを動かす訓練で、脳の中の「指の地図」が描き直されていく。さらに、「正確に弾こう」と意識しすぎると、むしろ効率の良い腕の使い方が身につかない、という研究も紹介されていて、練習の意図そのものがパフォーマンスを左右することにハッとさせられます。 読んでいて思うのは、努力量ではなく、“どんな情報を脳に送り続けているか”が習得を分けているということ。自分の癖が気合いでどうにかなる話ではなく、脳の仕組みとして説明されるので、変に落ち込まずに済むのもありがたいところです。 自分の動きに違和感があるのに理由がつかめない人、音楽以外の分野でも練習の質を見直したい人にはとても刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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