
死別の悲しみに向き合う グリーフケアとは何か (講談社現代新書)
坂口幸弘
講談社 / 2012-12-20
この本について
身近な人を失った経験があると、「自分の悲しみは重すぎるんじゃないか」「もう少し早く立ち直らないといけないのかな」と、誰にも言えないまま抱えてしまうことがあります。周りからかけられる言葉にも救われたり、逆に傷ついたりして、どう向き合えばいいのか分からなくなることもあります。僕自身、うまい言葉なんて持ち合わせていないし、誰かの死を前にしたとき、自分の無力さばかりに目が向くタイプです。 この本が静かに効いてくるのは、まず「悲しみには正解も、期限もない」という前提を丁寧に示してくれるところです。たとえば、故人の話題を避けるよりも、そっと思い出を共有する方が遺族の孤立感を和らげるという指摘や、「いつまでも悲しんでいても仕方ない」と急かすことが逆効果になる理由が、具体的な場面とともに語られています。また、葬儀や仏壇といった儀式の意味を、”形式だから”で片づけず、残された人が悲しみと一緒に生きていくための支えとして位置づけ直しているのも印象的でした。 誰かを亡くしたあと、元の自分に“戻る”ことはない。でも、そのままの形で生きていくための視点は持てる。そんなふうに感じさせてくれる一冊です。大切な人を失った経験をどう扱っていいか分からない人に、そっと届けばいいなと思っています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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