
邪魅の雫(2)【電子百鬼夜行】 (講談社文庫)
京極夏彦
講談社 / 2009-06
この本について
仕事でも日常でも、人の気持ちを読むとか、場の空気を測るとか、そういう“見えないやり取り”に疲れることがありませんか。こちらは丁寧にやっているつもりでも、腹芸が通じる相手と通じない相手がいて、自分の判断基準がどこにあるのか分からなくなることがあります。そんなモヤモヤを抱えたまま進むしかない時に、この『邪魅の雫(2)』の抜粋が妙に落ち着かせてくれました。 京極作品の中でも、本作は「ものを見る角度」をじわじわ変えてくれるところがあります。たとえば“誕生と死の間に生がある”という一文は、聞けば当たり前なのに、日々の選択に追われているとすぐ忘れてしまう視点です。生きている以上、どこかで折り合いをつけて進むしかない。でもその途中で起こる噛み合わなさも含めて、ただの個人の問題ではなく、もっと大きな流れの中に置き直してくれる感覚があるんです。 そして榎木津の「非常識な能力」よりも、“世界と人を強引に接続してしまう生き方”に触れる場面は、他人の言動をどう解釈するかで迷っている時に効きます。自分が見ている世界なんて、ほんの一部でしかない。その当たり前を、説教くさくなく思い出させてくれるところが好きです。些細な行き違いに振り回されがちな人に刺さると思います。 人の心の動きに過敏でしんどくなる時、その感覚ごと物語に預けたい人に。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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