
認知症 「不可解な行動」には理由がある (SB新書)
佐藤 眞一
SBクリエイティブ / 2012-08-16
この本について
介護の場で「なんでこんな行動をするんだろう…」と立ち止まる瞬間って、ありますよね。こちらは普通の声かけをしているつもりなのに、拒否されたり、怒られたり、突然の妄想を向けられたり。自分のやり方が悪いのか、相手の状態なのか、その境目が見えなくてモヤモヤする。僕自身も家族の介護で同じように悩んだことがあります。 この本が助けてくれたのは、「理由の見えない行動にも、その人なりの筋が通っている」という視点でした。たとえば、着替えや入浴の拒否が、ただの“反抗”ではなく「大人になってから人に服を脱がされる経験なんてない」ことへの当然の防衛だと知るだけで、こちらの接し方は大きく変わります。あるいは、もの盗られ妄想が「自己否定を避けるための心の働き」だと理解すると、責められても真正面から否定しなくていい理由が生まれます。さらに、長期記憶は保たれやすいとか、焦点的注意は衰えにくいといった具体的な認知の特徴を知ると、日常の声かけが少しずつ噛み合っていく実感も持てます。 介護の場で大事なのは“完璧な正解”よりも、相手の世界のほうに半歩寄ることなんだろうな、と感じさせてくれる一冊です。特に、「拒否や妄想の背景にある気持ちを知りたい」と思っている人に静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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