
オー・マイ・ガアッ! (集英社文庫)
浅田次郎
毎日新聞社 / 2001-10-25
この本について
仕事でも人生でも、「あのときの判断は正しかったんだろうか」とふと立ち止まる瞬間ってありますよね。前に進んでいるつもりでも、経験が積み上がるどころか削られている気がする。過去の選択がずっと背中に張り付いている。そんなときに浅田次郎の『オー・マイ・ガアッ!』を読むと、少しだけ視界が変わります。 この物語のなかで描かれる、“夢と呼ぶには生々しすぎる記憶”に引きずられる主人公の姿は、自分にも思い当たるところがあって痛いほどわかるんです。そして、経験は必ずしも蓄積されるわけじゃないという指摘や、立場が上がったように見えて実は「野に下っただけ」という冷静な視点が、社会の中で自分が何を追いかけているのかを改めて問い直させてくれる。さらに、訳語の裏にある本音や、国ごとの価値観の違いが描かれる場面は、自分が“当たり前”だと思い込んでいるものがどれだけ狭いかを静かに突きつけてきます。 派手な逆転劇があるわけじゃないけれど、自分の足元をそっと照らしてくれる物語です。会社や肩書きに疲れたとき、過去の自分と今の自分の差分が気になってしまうときにしみるタイプの作品。こんな人に刺さると思います。どこかで「もう少しうまくやれるはずなのに」とぼんやり悩んでいる人に。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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