
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸 (電撃文庫)
入間 人間、左
KADOKAWA / 202303
この本について
人間関係がうまく立ち回れなかった日の帰り道、「もう少し肩の力抜いて生きられたらな…」みたいな気持ちになることありませんか。誰かと会話しながらも、どこか自分だけ別の温度で生きているような、妙なズレを抱えたまま日々を続けてしまう感じ。僕もよくあります。 『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の抜粋を見ていると、そのズレの正体みたいなものが、ふと浮かび上がってくる瞬間があるんですよね。たとえば、誰かのどうでもいい独り言に救われたり、皮肉や冗談の応酬の中でだけ素直になれたり、気持ちが行き場を失って「全部置いて眠りたい」と思う衝動が不意に訪れたり。どれも劇的じゃないけれど、自分の中にも確かにある感覚ばかりで、妙に現実に引き戻されます。 この作品の効き方は派手ではなくて、むしろ微妙なひっかかりをそのまま肯定してくれるところにあります。理不尽に対して強くなれるとか、人生が前向きになるとか、そういう話ではまったくなくて、「そういう瞬間あるよね」と寄り添ってくれる種類の物語です。登場人物の会話まわりに刺さっているなら、きっと日常の違和感を言葉にしてくれる場面がいくつもあるはずです。 誰にも言えない「生きにくさ」を放置したまま歩いている人に、そっと合う一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
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