
戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで (講談社現代新書)
加藤陽子
講談社 / 2002-03-20
この本について
最近、「歴史を学んでも結局“出来事の並び”にしか見えず、今の社会や自分の判断とどうつながるのかよく分からない」という声をよく聞きます。僕自身も、近代日本の外交や戦争の経緯を調べようとしては、論理の断片だけを追ってしまい、全体像をつかめないもどかしさがありました。 加藤陽子さんの『戦争の日本近現代史』は、そのあたりの霧をゆっくり晴らしてくれる本でした。読んで強く感じたのは、「人々の認識がどう変わったのか」を軸に見るだけで、歴史の風景がまったく違って見えるということです。政府の現実主義と民間の理想主義がどう噛み合わなくなっていったのか、なぜ征韓論の裏に“優越感”ではなく“自分たちが救われるかどうか”の焦りがあったのか、そういう内側の論理がひとつずつ手繰れるようになります。また、条約や国際法が「強い側には大義名分、弱い側には口実にしかならない」といった当時のリアルな感覚に触れると、判断の背景にあった切迫感が生々しく伝わってきます。 歴史を事実の集積としてではなく、「人はどんな理由で、どんな恐れや期待を抱き、どう動いたのか」という問いとして読みたい人に、とても相性がいいと思います。僕みたいに、戦争が“なぜ起きたのか”を論理として知りたい人には、じんわり効いてくる一冊でした。
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