
昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー 671)
半藤一利
平凡社 / 2004-02
この本について
最近、ニュースを見ていて「自分は何をどこまで分かっているんだろう」と不安になることが増えました。情報はあふれているのに、全体像はつかめない感じ。誰かが強い言葉を発すると、それに空気ごと流されてしまいそうになる。頭では距離を置きたいのに、現実にはなかなかむずかしいところです。 半藤一利『昭和史 1926-1945』を読んでいて思ったのは、こうしたモヤモヤは今だけのものじゃないということでした。関東軍の暴走を誰も止められなかった空気や、新聞が軍部の宣伝機関みたいになっていく過程、国民的熱狂が膨らんでいく瞬間など、読みながら何度も「これ、今と構造が似ているな」と感じます。歴史を知ると、今の出来事に対して「どの部分が危ういのか」を少し冷静に見られるようになるんですね。たとえば、都合の良いスローガンに人がまとまってしまう怖さとか、情報が多いほど見えていない部分が増えるという指摘は、そのまま今の自分に返ってきます。 この本は派手さはなくても、「空気に巻き込まれそうな時の足場」を与えてくれる一冊でした。特に、熱狂や同調が苦手なのに、日常ではどうしてもそれに触れざるを得ない人にこそ刺さると思います。自分の立つ場所を確認したい時に、そっと読み返したくなる本でした。
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