
はい、泳げません(新潮文庫)
高橋 秀実
新潮社 / 2007-12-01
この本について
日々、うまくやろうとするほど体が固まっていく感じってありませんか。仕事でも人間関係でも、「力を抜けばいい」と言われても、そもそもどう抜けばいいのか分からない。焦れば焦るほど沈んでいくような感覚だけが残る。僕もけっこう長くそのループにはまっていました。 『はい、泳げません』は、水泳の話をしているようで、実は「うまくやろうとする自分」とどう付き合うかの本でした。印象に残ったのは、コーチが繰り返す「答えなんてない」「さっきと今は違う」という姿勢で、これは日常にもそのまま持ち込めるなと感じました。例えば、焦ると体に余計な力が入り、沈んでいくという描写は、そのまま仕事でいっぱいいっぱいになる時の自分と重なるし、「自分のことだけ考えていると前屈みになる」という言葉も、視野が狭くなっていた日に思い当たります。水中では“ちょっと動いてスーッと伸びる”だけでいい、という発想も、力任せでやろうとしていた自分をほどくきっかけになりました。 水泳に興味がなくても、考えすぎて空回りしがちな人には、じわっと来るものがあると思います。完璧にやろうとしなくてもいいし、今日は沈んでも明日は浮くかもしれない。そのくらいの温度で自分を扱えるようになりたい人に向いている一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
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