
最終講義 生き延びるための七講 (文春文庫)
内田 樹
文藝春秋 / 2015-06-10
この本について
最近、「自分の判断がこれでいいのか」とか、「矛盾した価値観の中でどう立ち回ればいいのか」といったモヤモヤを抱えている人、多い気がします。正解を探そうとするとかえって視野が狭まり、どこかで息苦しさが出てくるんですよね。僕自身もよくそこで立ち止まってしまいます。 内田樹『最終講義 生き延びるための七講』は、そのモヤモヤを一刀両断する類の本ではありません。でも、矛盾や不安を抱えたまま生きるための“姿勢”を、静かに整えてくれる一冊です。たとえば、「成熟とは矛盾に引き裂かれ、その矛盾に耐える経験のこと」という指摘は、すぐに答えを出そうと焦る自分に少しスペースを与えてくれます。また、「扉を開けなければ、その向こうに何があるかわからない」という言葉は、先が見えない状況の中でも小さく動いてみようと思わせてくれます。そして「身銭を切った人だけが、そこから意味を取り出せる」という部分は、学びや仕事に対してどこまで自分を差し出すのかを考え直すきっかけになります。 派手な成功論とは無縁ですが、ゆっくりでも前に進みたい人にとっては、長く効く本です。特に、「正しさよりも、生き延びる知恵を身につけたい人」に刺さると思います。
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