
生きていくことの意味 トランスパーソナル心理学・9つのヒント (PHP新書)
諸富 祥彦
講談社 / 199908
この本について
最近、「やりたいことはあるはずなのに、どこか満たされない」「足りない感じがずっと残る」という声をよく聞きます。僕自身も、何かを達成してもすぐに次の不足が気になってしまう時期がありました。そんな時にこの本を読んで、少しだけ視点の置きどころが変わりました。欲望の充足ではなく、“人生のほうからの問いかけ”に耳を澄ませてみる、という発想です。 この本が効くのは、まず「欠乏感の出口」を示してくれるところです。やりたいことを追い続ける生き方は、どうしても不満が残りやすい。でも、“なすべきこと”に目を向けると、行動の優先順位が静かに変わっていく。その変化が、妙に落ち着きをくれるんです。また、悩みや苦しみそのものにいったん寄り添ってみるという逆転の姿勢も印象的でした。嫌な気持ちを押し込めるのではなく、ちゃんと認めてみることで、感情が少し収まっていく。これは日常の小さな不安にも使える感覚だと思います。 さらに、 “自分を必要としている何かや誰かが必ずいる” という視点は、自己中心的な考え方からそっと離れるきっかけになります。大げさに使命を語る本ではなく、むしろ地に足のついた形で、人がどう意味を見つけていくのかを丁寧に扱っている印象でした。 自分の「やりたいこと探し」に疲れてしまった人に、静かに刺さる本です。
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