
Self-Reference ENGINE
円城 塔
Haikasoru / 2013-03-19
この本について
日々、言葉にうまくならない感覚を抱えたまま仕事をしていると、「自分が何を考えているのかすら曖昧だな」と立ち止まることがあります。考えたいのに考えが形にならない、白紙の前で足がすくむあの感じです。そんなときに『Self-Reference ENGINE』を読んでいる人が、なぜ難解と言われるこの本から抜き取った言葉を保存したのかを想像すると、ただ奇抜なSFとしてではなく、「自分の思考の輪郭と向き合う物語」として読んでいるのだと思います。 たとえば、白紙への抗弁とか、動物に託された想像といった表現に触れていると、自分の中にある曖昧さそのものを作品が代わりに掘り起こしてくれているように感じます。難解な語彙が並んでいても、それが壁になるというより、むしろ普段なら言語化しない感情を別の角度からつまみ上げてくれる。登場人物の口吻が熱を帯びる場面を追ううちに、「ああ、自分もこういうふうに世界と話したかったんだ」と気づく瞬間があります。 この本は、すべてを理解しようと身構えるより、「自分の思考がどこで引っかかるのか」を探したい人に刺さると思います。物語というよりも、散らばった思考が一瞬だけ形を結ぶような体験がほしいとき、静かに効いてくる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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