
ひとつずつ、ひとつずつ
アン・ラモット
Pan Rolling Inc / 2014-01-03
この本について
書こうとすると手が止まる時ってありますよね。材料はあるのに形にならないとか、自分なんかが書いていいのか分からなくなるとか。僕もよくそこで迷うんですが、『ひとつずつ、ひとつずつ』を読んでいると、その行き詰まりの背後にある不安や過剰な期待みたいなものが、少しずつほどけていく感じがありました。 この本が効くのは、「うまく書く」より前に「自分の視点に戻る」感覚を思い出させてくれるところです。たとえば、子ども時代を思い出してみるという提案は、技巧より観察と感受性のほうが先なんだと気づかせてくれるし、誰にも見せなくていい第一稿の話は、理性より直観に任せる余白を取り戻すきっかけになります。キャラクターを動かす時も、正解を探すんじゃなくて耳を澄ませるように書けばいい、という視点がすごく楽なんです。 それに、書くこと自体を「注意を向ける営み」として捉える姿勢も心に残ります。派手な成果や評価ではなく、今の自分が気になっているものを言葉にしていくこと。それが誰かの灯台になるかどうかは結果論で、まずは自分の足元に光を置くように続けていけばいい。そう言われると、書くことが急に手の届く行為に変わるんですよね。 書きたい気持ちはあるのに足がすくむ人、自分の声を信じ切れないまま立ち止まっている人に、とても静かに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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