
大局観 自分と闘って負けない心 (角川新書)
羽生 善治
この本について
仕事でも日常でも、判断の精度が落ちている気がする日ってありますよね。気持ちが焦っていたり、逆に楽観していたり、状況が読めているつもりでズレていたり。自分の中の“ノイズ”に振り回されているのに、それを自覚できないまま決断してしまうことが、僕もよくあります。 羽生善治さんの『大局観』は、そのズレを静かに整えてくれる本でした。勝負の世界の話ではあるのですが、読んでいると「これは自分にもそのまま当てはまるな」と思う場面が多い。たとえば、感情に引っ張られて判断を誤ることや、ミスした後に思考が狭くなること、選ばなかった選択肢を美化しがちなこと。こういう“人間らしい揺れ”を否定せず、そのうえでどう向き合うかが淡々と語られています。 特に刺さったのは三つで、一つは「現状認識を正しくすることの難しさ」。自分が優勢だと思っているだけで判断が甘くなる、という話には思い当たる人も多いはず。もう一つは「もがき続けた経験は忘れにくい」という視点で、スマートじゃなくても積み上げが直感につながる、という考え方が妙に肩の力を抜いてくれます。そして最後に、「次の一手から自分はまた始められる」というリセットの感覚。大きな失敗も、長い時間軸で見ればただの一手にすぎない、という距離感が心に残ります。 今の選択が重すぎると感じている人や、ミスを引きずって動けなくなりがちな人には、特にしっくりくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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