
臨機応答・変問自在 ―森助教授vs理系大学生― (集英社新書)
森博嗣
集英社 / 2001-04
この本について
最近、誰かに教える場面や、チームで動く場面になると、急に自信がなくなることがあります。自分がちゃんとできていない気がしたり、そもそも何を「考える力」と呼べばいいのか分からなかったり。そんなときに読み直したのが、この『臨機応答・変問自在』でした。 森博嗣さんの語り口は、いわゆる教育論のような大上段ではなく、実験室で学生と向き合ってきた人の実感そのものです。特に刺さったのは、問題を見つける力こそリーダーの仕事だという話と、知らないことを恥と思わず「倉庫の余白」として扱う視点でした。教える側の役割も「やる気を出させる」というほんの小さな領域に限られる、と認める姿勢にも救われます。できることとできないことを線引きしてくれる感じがあるんです。 それと、質問する訓練をあえて義務化するくだり。口を開けていない人には餌を与えられないという例えは厳しいけれど、実際その通りで、受け手の主体性がない限り学びは進まない。こちら側が無理に背負い込まなくていい、という感覚を取り戻せました。ユーモアを失わない心構えや、大人がまず楽しんで生きてみせる姿勢も、日常に落とし込みやすい考え方だと思います。 「人に教える立場になったはずなのに、自分のほうが迷ってばかり」という人には特に刺さる一冊です。
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