
燃えよ剣(下)
司馬遼太郎
文藝春秋 / 2020-04-06
この本について
仕事でも人生でも、「これをやるのが正しいのか」「流れに逆らってないか」と迷うことってありますよね。とくに周りの空気や“時勢”みたいなものが強いと、自分の判断が急に心もとなくなる。私もよくそこで立ち止まります。 『燃えよ剣(下)』を読むと、その迷いが少し整理されます。土方歳三や近藤勇の言葉には、勝ち負けよりも「自分は何を美しいと思うのか」という基準で動く人間の姿が描かれていて、そこが読者に刺さっているところだと思うんです。政治感覚のズレや、気運に飲まれることへの距離感、そして“もって生まれた性分で精いっぱい生きるほかない”という諦観のような覚悟。自分も日々の判断をするときに、このあたりの視点にけっこう救われました。たとえば周囲の勢いに焦るとき、「人物の価なんて気運が静まれば通常に戻る」という一節は、いろんな場面で効きます。 また、この本は土方のストイックさをただ美化するんじゃなく、彼の偏りや歪みまで含めて描いているから、変に勇気づけられるというより、「自分の性分ってこういうものだよな」と腹に落ちる感覚があるんですよね。何かを選ぶときに万能解はないけれど、基準をひとつ持つだけで立ち位置が決まる。私はそこがこの下巻のいちばんの読みどころだと思っています。 自分の判断軸を持ちたいけれど、声の大きい意見に揺さぶられやすい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
読書の順序
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