
シュメル―人類最古の文明 (中公新書)
小林登志子
中央公論新社 / 2005-10
この本について
仕事でも日常でも、自分の判断が「どこから来た価値観なのか」よく分からなくなることがあります。正しさを求めたいのに、今いる社会のルールも絶対じゃない気がして、ふと立ち止まってしまう瞬間。そんなときに、思い切って人類の“最古”の価値観をのぞいてみると、いまの自分の立ち位置が少しだけクリアになったりします。 『シュメル―人類最古の文明』は、神殿が都市の「真の王」だったり、王と女神官の聖婚儀礼で秩序を回復しようとしたり、石もない土地でどうにか文明を形づくったりと、人間が社会を回すために編み出した仕組みがとても生々しく描かれています。ここまで時代が離れているのに、悩み方や工夫の仕方には驚くほど連続性があって、自分たちの常識も“たまたま”の積み重ねなんだと気づかされます。 さらに、文字の誕生や法典づくり、大洪水の伝承など、現代にもつながる物事がどう始まったのかを追うことで、今抱えているモヤモヤが「人類の歴史の中の一部」に置き直される感覚があります。問題は大きくても、どう扱うかはもっと自由でいいのかもしれない、と思わせてくれる本です。 歴史そのものより、「人間の考え方の源流」を知りたい人に刺さる一冊です。
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