
存在と時間I (中公クラシックス)
ハイデガー, 原佑, and 渡邊二郎
この本について
仕事でも日常でも、ふと「自分は何に振り回されているんだろう」と感じることがあります。やることは多いのに、肝心の“自分がどう在るのか”が置き去りになる瞬間ってありますよね。抜粋を見ていると、この本に惹かれた方はまさにその「自分が世界にどう関わっているのか」という根っこの部分に、ずっと違和感を抱えてきたのだろうと感じました。 『存在と時間I』が役に立つのは、立派な答えをくれるからではなく、自分の“在り方”を観察するための視点を手渡してくれるところにあります。たとえば、現存在が「差しあたって世界に心を奪われている」という指摘は、忙しさに流されがちな日々をそのまま言い当てられたようでハッとします。また、他者との関わりを「共存在」として捉える視点は、仕事のチームや家族との関係を、単なる役割のやり取りではなく、自分の実存が揺れ動く場として見直すきっかけになります。そして、学問や思考そのものが“根本概念の危機に耐えうるか”で決まるという部分は、自分の考え方の土台を点検する感覚に近く、思考の背骨を作ってくれます。 一気に理解しようとすると挫けますが、むしろ答えのないまま読み進めて、自分の生活にゆっくり沁み込ませる本です。自分の立ち位置を言語化できないまま動き続けている人に、じわっと効きます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
読書の順序
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