
スコーレNo.4 (光文社文庫)
宮下 奈都
光文社 / 2009-11
この本について
人と一緒にいるのに、ふいに強い孤独に落ちることってありますよね。相手の視線が自分を通り抜けていく感じとか、心は近くにいたいのに距離だけがじわっと広がっていく感じとか。仕事でも同じで、周りに合わせるために引き出しを増やそうと頑張ってみるけれど、本当のところ自分は何が好きで、どこに立っていたいのか見えづらくなる瞬間があります。 『スコーレNo.4』は、そういう揺れをごまかさずに生きている主人公の姿が、そのまま読んでいる側の呼吸に重なってくる小説です。恋愛で心が噛み合わない怖さを言葉にしてくれたり、感覚が研ぎ澄まされすぎて日常の景色が急に変わるあのざわつきを思い出させたり、仕事の場面では「自分はただの中間作業なのに、なぜこんなに心が躍るんだろう」という不思議な充足をすくい上げてくれます。好きなものに深く潜ることが、自分の扉になるという視点も、妙に腑に落ちました。 誰かとうまく馴染めないときや、自信という言葉に振り回されてしまうとき、「自分の感じていることはそんなに変じゃない」とそっと隣に座ってくれるような本です。恋愛でも仕事でも、一度立ち止まって自分の輪郭を確認したい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの58%が集中しています。
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