
宇宙の果てのレストラン 銀河ヒッチハイクガイドシリーズ (河出文庫)
ダグラス・アダムス、安原和見
この本について
ときどき、自分の周りのことが全部ちょっとだけズレて見える日があります。仕事の役割とか、社会のルールとか、みんなが「普通」と呼んでいるものが、ほんとうにそんなに大事なんだっけと立ち止まりたくなる瞬間。かといって深い人生論を語られても、いまはそういう堅い調子じゃ入ってこない……そんなときに読み返したくなるのが、この『宇宙の果てのレストラン』でした。 この本が効くのは、壮大さとくだらなさが同じ温度で並んでいるところです。たとえば「大統領になりたがる人は大統領に向かない」という皮肉は、いまの職場の権力争いにも不思議と重なるし、「靴屋が増えすぎて星が崩壊する」話は、日々の仕事が目的を見失っていく感覚を妙に思い出させます。登場人物たちが全力で迷走している姿を見ていると、自分が混乱していることそのものが、ちょっとだけ許せるようになるんです。 そしてもうひとつ、このシリーズには“世界の広さを笑える余裕”みたいなものがあります。宇宙が広大すぎて眠れなくなる、だから自分用の小さな宇宙をこしらえて生きている──そんな一文は、ふだん目の前のタスクだけで精一杯の自分に、少し呼吸を戻してくれる感じがします。 意味のある混乱を抱えたままでも前に進みたい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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