
21世紀の貨幣論
フェリックス・マーティン and 遠藤 真美
東洋経済新報社 / 2014-10-09
この本について
お金まわりのことを考えるとき、「なんでこんなに数字ばかりに振り回されるんだろう」とか、「価値って本当に“測れる”ものなんだっけ」と、ふと立ち止まる瞬間があります。仕事でも生活でも避けられないテーマなのに、どこか正体がつかめない。そのモヤモヤが積み重なると、お金との距離感そのものがしんどくなってくるんですよね。 『21世紀の貨幣論』は、その手触りの悪さをほぐしてくれる本でした。通貨そのものがお金なのではなく、信用のやり取りと清算の仕組みこそがマネーだという視点に触れると、「自分が持っている不安の正体って、数字ではなく“関係”にあったんだな」と腑に落ちてきます。お金が人間関係を豊かにも貧しくもする社会的な技術だと理解できると、目の前の取引や交渉の見え方もだいぶ変わりますし、仕事で感じていた違和感がどこから来ているのかも整理しやすくなります。さらに、歴史を通して「誰がマネーを支配するか」をめぐる争いを知ると、自分がいま向き合っている制度の偏りも、少し引いた視点で扱えるようになります。 お金に振り回されているつもりはないけれど、どこかで違和感を抱えている人に届く一冊だと思います。自分の働き方や、人との関わり方をどう整えるかを考えるとき、その背景にある“信用の構造”まで視界が広がるのはけっこう大きな体験でした。
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