
貨幣の「新」世界史 ハンムラビ法典からビットコインまで (早川書房)
カビール セガール and 小坂 恵理
この本について
お金のことを考えるとき、どうしても「もっと貯めなきゃ」とか「判断を間違えたら損しそう」といった不安が先に立ってしまいますよね。僕もずっと、お金をめぐる迷いは自分の性格や知識不足から来るものだと思っていました。でも、この本を読むと、そもそもお金という仕組み自体が、人類が生き延びるために積み上げてきた“工夫”の延長にあると分かって、ちょっと肩の力が抜けました。 特に刺さったのは、お金を「価値のシンボル」として捉えている視点です。貯蓄が不安の対策になるように、生物がエネルギーを蓄える行動とつながってくる。つまり不安を感じるのは自然なことで、その不安をどう扱うかは進化の歴史の中で何度も試されてきた問題なんだと気づけます。さらに、人間の協力や信頼がどう生まれ、道具と言語がどうつながり、最終的に貨幣という抽象的な仕組みへ広がっていったかを追うと、自分の「判断の癖」や「損失への敏感さ」も、個人の弱さというより人類共通の傾向なんだと受け止められるようになります。 お金に振り回されがちで、「自分だけが下手なんじゃないか」と感じている人ほど、本書の視点は救いになると思います。人類史という大きなスケールに触れながら、日常の小さな不安とのつき合い方が少し変わる。そんな一冊でした。
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