
全盲の僕が弁護士になった理由
大胡田誠
日経BPマーケティング / 2012-03
この本について
仕事で人と向き合うとき、自分の余裕のなさがそのまま相手に伝わってしまう感じがあって、「ちゃんと役に立てているんだろうか」と不安になることがあります。そもそも、自分の心がどこを向いているのかすらよく分からなくなる日もあります。そんなときにこの本を読むと、少しだけ視点の置きどころが変わりました。 著者は全盲という前提を抱えながらも、弱さや迷いをごまかさず、そのまま仕事に向き合っています。印象的だったのは、法律家である前に“人の話をきちんと受け止める人間”でなければならないという姿勢や、楽をしたくなる自分と毎回ちゃんと向き合っているところです。どれも特別な精神論ではなく、生活の中で起こるごく普通の揺らぎとして描かれていて、だからこそ自分ごととして読めました。また、ドイツでの些細な気遣いの話から、「環境が一つ変わるだけで、人はこんなに動きやすくなるんだ」という実感ももらえます。 「何が正しいか」よりも、「自分の心がどちらを温かいと感じるか」を基準にしてもいい。そんな当たり前だけど忘れてしまいがちな軸を、押しつけずに思い出させてくれる本でした。 自分の不器用さや弱さを抱えたまま、人の役に立ちたいと思っている人に、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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