
「甘え」の心理 愛に出会う時、愛を失う時。 PHP文庫
加藤 諦三
この本について
人と関わるとき、相手の機嫌に必要以上に反応してしまったり、嫌われることを極端に恐れたり、自分でも理由が分からないまま疲れ切ってしまうことがあります。表向きは大人として普通に振る舞えていても、内側ではずっと「自分は愛されるに値しないのでは」という感覚が消えてくれない。そういう時期、自分にも長く続きました。 加藤諦三さんの『「甘え」の心理』は、その感覚を無理に否定するのではなく、どこから来ているのかを静かに示してくれます。たとえば、他人の感情に責任を感じてしまう理由や、相手に本心を出せないまま関係が不安定になる流れが、とても現実的な言葉で説明されている。さらに、過去の経験によって固まった「感じ方」を変えるのがこんなに心もとないのは当然で、革命みたいなものなんだ、と示してくれるところが、自分を責めずに前に進む足場になりました。 とくに、愛されなかったのではなく、愛する能力のある大人に出会えなかっただけ、という視点は、過去の解釈を少しだけゆるめてくれます。相手を支配したくなる気持ちや、過剰な依存が生まれる理由も、人格ではなく「心の仕組み」として扱われていて、読んでいて救われる部分が多かったです。 自分の感情を隠すクセが抜けない、親密さが怖い、でも本当は誰かとちゃんと関わりたい。そんな人に静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
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