
ニコニコ哲学-川上量生の胸のうち
川上 量生
日経BP / 2014-11-14
この本について
仕事でも創作でも、目の前の判断が「これでいいのか」と迷う瞬間ってけっこうありますよね。楽な方向に流れてしまいそうだったり、逆に気合だけで突っ走ってしまったり。そのどちらにも落ち着かないまま、なんとなくモヤモヤが残る……自分もよくそこにハマります。 『ニコニコ哲学』は、川上量生さんの語り口でそのモヤモヤを少し整理してくれる本でした。印象的なのは、派手な成功法則ではなく、ITやコンテンツの現場で「本当に起きていたこと」をそのまま語っている点です。たとえば、誰もやらない大変なことにしかチャンスが残っていないという話や、企画者とエンジニアの温度差が生まれる理由。どれも抽象論ではなく、自分の仕事にもそのまま引き寄せて考えられました。 また、欲求と論理がズレ続けるのが人間だ、という川上さんの視点がすごく助けになります。「やりたいこと」にこだわりすぎて空回るのも承認欲求の裏返しだし、コンテンツの価値が軽く扱われる構造も、仕組みを知れば無駄に落ち込まずに済む。そんなふうに、現実と折り合いをつける視点がいくつも拾えます。 派手に背中を押すタイプの本ではありません。ただ、仕事や創作で「納得できる判断軸がほしい」と感じている人には、静かに刺さると思います。自分の立ち位置を一度フラットに確認したいときにちょうどいい一冊です。
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