
夏目漱石全集 決定版 全124作品 (インクナブラPD)
夏目漱石
千歳出版
この本について
日々働いていると、正しさで動くべきか、好き嫌いで動いてしまう自分をどう扱えばいいのか、ふと迷うことがあります。理屈ではわかっているのに、腹の底では別の感情が動いている。あるいは、正直でいたいのに、それが損に見える瞬間がある。そんな時に漱石を読むと、妙に肩の力が抜けるんです。 抜粋を読む限り、あなたが刺さっているのは「人間のどうしようもなさ」を真面目に笑いながら描くところなんじゃないでしょうか。論理で人は動かないとか、正直者が笑われる理不尽とか、努力が報われない主人の滑稽さとか。漱石はそれを肯定も否定もせず、ただ“こういう人間がいるよね”と静かに置いていく。その距離感が、不思議と自分の混乱を整理してくれる気がします。 全集で読むと、坊っちゃんの直情も、猫の皮肉も、軍人の緊張も、同じ作者の中にちゃんと並んでいて、人間って単純に分類できないという当たり前が自然と入ってくるんですよね。何かを決めつけるんじゃなく、「まあ人間ってこういうところあるよな」くらいの視点を取り戻したい時には、むしろ全集という形がちょうどよかったりします。 刺さるのは、正しさと本音のどちらにも振り切れないまま生きている人だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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