
光あるうち光の中を歩め(新潮文庫)
トルストイ、原 久一郎
新潮社 / 1952-06-30
この本について
仕事や家庭のことで心がそわそわして、「このまま続けていても落ち着かないな」と感じる瞬間がありませんか。正しいと分かっていることほど、いざ行動に移そうとすると怖くなる。周りとの関係やこれまでの積み重ねを思うと、踏み出せないまま日々が流れていく。ぼくも似たようなところでずっと足踏みしてきました。 『光あるうち光の中を歩め』を読んでいて刺さったのは、まさにその“足踏み”の部分です。主人公ユリウスが、自分の生き方が幸福を与えていないと分かりながら、「では何を待っているのか」と問われる場面は、ごまかしながら生きている時の痛みにそのまま触れてきます。また、彼が一度立ち止まって、自分の過去や人との関わりを見つめ直す姿は、逃げたくなるような内面の作業に意味があることを静かに示してくれます。さらに、他人に見せるためではなく、自分の信じる生活を選ぶ人物たちの姿が、焦りで濁った視界をちょっと澄ませてくれます。 この本は、人生を劇的に変える魔法の答えをくれるわけではありません。でも、迷いそのものにどう向き合うか、そしてどのくらい自分の理性や良心に正直でいられるかを考えるきっかけにはなります。自分の生き方を“秤にかける”時間を少しでも持ちたい人に向いています。 「なんとなく今のままじゃまずい気がするけど、じゃあ具体的にどうすればいいのか分からない」という人ほど、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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