
凡文を名文に変える技術 (文春新書)
植竹伸太郎
文藝春秋 / 2015-03-20
この本について
文章を書くとき、つい曖昧な言い回しに逃げたり、「見る」「思う」みたいな基本動詞ばかり並んでしまったりしませんか。自分でも気づかないまま、言い切る勇気が持てなかったり、語彙の引き出しを開ける前に終わってしまう瞬間があると思います。僕も仕事のメールや企画書を書くたびに、その癖が出てしまってモヤっとしていました。 この本は、いわゆる“文章術の正解”を教えるというより、そうしたモヤっとした原因を一つずつ具体的に指してくれます。たとえば、曖昧語を避ける理由を精神論ではなく「自己防衛のクセとして出やすい」と説明してくれたり、和語と漢語の選び方を「偉そうに聞こえるかどうか」ではなく、文章の手触りで示してくれたり。基本動詞をそのまま使わず、日本語の語彙を丁寧に探すことで、同じ出来事でも深みの出し方が変わる、という指摘は特に実感が大きかったです。 大げさに文章が激変する、みたいな本ではありません。ただ、自分の文章のクセに静かに気づかせてくれて、「あ、ここは別の言い方があるかも」と手を止める回数が増える。そんな地味だけど確かな変化がある一冊です。文章力を高めたいというより、「自分の言いたいことをもう少し丁寧に言葉にしたい人」に刺さると思います。
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