
「批評」とは何か? : 批評家養成ギブス (BRAINZ叢書)
佐々木敦
この本について
同じ作品を読んでいるはずなのに、人と話してみると自分の感じ方が言葉にできなくてモヤっとすることってありませんか。面白かったはずなのに、いざ説明しようとすると急に自信がなくなるというか、「正解が言えないといけないのでは」と焦ってしまうあの感じ、僕もよくあります。 佐々木敦さんの『「批評」とは何か?』を読んで刺さったのは、まさにその“正解を当てにいく姿勢”をいったん脇に置いていいと言い切ってくれるところでした。試験問題のように百点を取る必要はなくて、むしろそこには載っていない答えを、自分の感情の手触りから少しずつ掘り出していくことこそが批評なんだ、と。あの作品に惹かれた理由を、その作品の枠を越えて考えることーーそこに「世界」が見えてくる、という言い方も腹落ちしました。自分がどの部分に動かされているのかを丁寧に見つめるだけで、作品との距離が変わっていく感覚があります。 この本は、誰でも批評家になれると言っているわけではありません。ただ、「感じたことをうまく言語化できないモヤモヤ」を抱えたまま読むと、物語との向き合い方に少し風通しが生まれます。作品の外側にあるはずの自分の考えに気づけたり、読後の感想が単なる好悪から一歩深くなったりするはずです。 自分の読書体験をもう少し自分の言葉で語りたい人に、静かに届く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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