
考えない練習 練習シリーズ (小学館文庫)
小池龍之介
この本について
人と話していて、本題よりも自分の頭の中の声がうるさくなる瞬間がありませんか。相手の言葉より、自分の「正しさ」を守る方にエネルギーを使ってしまったり、同じ刺激なのにその日の心の状態で受け取り方がブレたり。僕もよくやってしまうのですが、気づいたあとで地味に落ち込みます。 『考えない練習』は、この“心のクセ”を力づくで矯正するというより、まず「今、自分の心が何をしているか」を丁寧に観察するところから始める本です。相手の表情や声、こちらの反射的な反応を一拍置いて眺めてみるだけで、余計な思い込みが静かになっていく感覚がありました。特に、相手の苦しみを自分の物語に引き寄せずに観察するという視点は、日々の会話の詰まりをほぐしてくれます。反射的に同情したり、アドバイスで埋めようとしたりする前に、ただ相手の感情を浮き彫りにして受け取る。それだけで関係の温度が変わります。 もうひとつ助けられたのは、「思考は刺激を求めて勝手に暴走するもの」という捉え方です。雑念が出るたびに自己嫌悪していたのですが、この本ではそれを前提として扱い、音や身体感覚に意識を戻す練習を積み重ねていきます。大げさな変化ではなく、日常の中でじわっと心の余白が増えていく感じです。 自分の思考に振り回されやすい人、そして「もっと優しく関わりたいのに、実際はうまくできない」と感じている人には、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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