
マクドナルドで学んだすごいアルバイト育成術(新潮文庫)
鴨頭 嘉人
新潮社 / 2015-03-01
この本について
仕事で人を任せる立場になると、「正しいことを言っているのに、なぜか伝わらない」「気づけば自分ばかりが空回りしている」みたいな場面、けっこうありますよね。相手が悪いわけでも、自分がダメなわけでもないのに、うまく噛み合わなくてモヤモヤが積み重なる。僕も同じで、言えば動くはずだと思い込んでいた時期ほど、誰とも通じ合えなかった気がします。 この本が面白いのは、「人を動かすには語彙力でも気合いでもなく、共有される“基準”と、相手を信じる姿勢がすべての土台になる」という当たり前すぎる話を、現場の失敗から丁寧に描いているところです。たとえば、マクドナルドの手順書はただの説明書じゃなくて、ポリシーを共有して初めて意味が出る仕組みとして語られるし、店長が変わるとスタッフの接客が変わる場面は「人は鏡なんだ」と妙に腑に落ちます。あと、悩みを解決できなくても「ここに居ていい」と思わせる関係の強さについての話も、働く人なら誰しも思い当たるものがあると思います。 結局のところ、他人を変えようとするほど自分が消耗していく。でも、相手の中にある答えを見る姿勢に変えると、ゆっくりだけど職場が動き始める。本書はその小さな転換を、現実的なスケールで描いています。 「部下や後輩を前にすると、どう接していいか自信がなくなる人」に特に刺さる一冊だと思います。
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