
ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)
宮口幸治
新潮社 / 2019-07-13
この本について
最近、目の前の人の行動が「なんでこうなるんだろう」と分からなくなることが増えていて、自分の理解の浅さに落ち込むことがあります。注意しても伝わらない、話がかみ合わない、そもそも何に困っているのかが見えない…そんな場面に出くわすたびに、相手の性格だけで判断してしまっている気がしていました。 この本は、そのモヤモヤにひとつ視点を足してくれます。非行少年の話が中心なのですが、そこで語られている「認知機能の弱さ」や「等身大の自己理解の欠如」は、私たちの周りの大人や子どもにも普通に見られる特徴です。例えば、昨日今日明日の区別で精一杯の子に長期目標を語っても入ってこない、といった当たり前のことに気づかせてくれたり、努力しない子の背景には「他人の努力を想像できない」という事情があると分かるだけで、見え方がガラッと変わります。叱るか褒めるかの二択ではなく、そもそも何ができなくてつまずいているのかを丁寧に見る必要があるんだな、と腑に落ちました。 読んでみて感じたのは、少年院の話というより「人の行動の裏側が分からず困っている大人」に効く本だということです。固定観念で判断してしまいがちなとき、相手の“土台となる力”に目を向けるだけで関わり方が変わります。子ども、部下、家族とのコミュニケーションで行き詰まっている人には特に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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