
ナラティヴ・時間・コミュニケーション
野村 直樹
遠見書房 / 2010-09
この本について
会話していて「なんでこんなに噛み合わないんだろう」とか、「言っていないことばかり伝わってしまう」とか、そんな小さな違和感が積もることってありますよね。自分の伝え方が悪いのか、相手の問題なのか…と考え始めると、けっこう迷路に入ります。僕も仕事で人と話すたびに、同じところでつまずいてきました。 『ナラティヴ・時間・コミュニケーション』は、そういう“説明しづらいズレ”を、エトス・パトス・ロゴスのような古典的な視点から、インターアクションとフィードバックという現場そのものの視点まで、かなり丁寧にほどいてくれます。特に、言葉は単体で存在せず、声の大きさや間、書かれた場所の文脈までセットで意味が立ち上がるという説明は、日常の会話の見え方をガラッと変えてくれます。また、「わからないままでいる姿勢」が会話を続ける力になるという話は、相手を理解しようと急ぎすぎていた自分にとってかなり効きました。 この本は、説得や交渉のテクニック本ではなく、むしろ“会話ってそもそもどう成り立っているのか”を一度落ち着いて見直したい人に向いています。コミュニケーションを「正しさ」で押し切るのではなく、「関係の中でどう意味が生まれるか」という視点で考え直したい人には、とても相性がいいと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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