
増補 エロマンガ・スタディーズ ――「快楽装置」としての漫画入門 (ちくま文庫)
永山薫
筑摩書房 / 2014-04-10
この本について
創作や表現のことを考えていると、「自分が面白がっているポイントって、そんなに変なのかな」とか、「好きと分析のあいだに距離がある気がする」というモヤモヤが出てきませんか。僕も、作品を読むたびに、自分の感じ方の根っこをもう少し言語化できたらと思うことが多いです。 『エロマンガ・スタディーズ』は、そういう“説明しづらい感覚”を無理に整えず、そのままの形で扱ってくれる本でした。エロ漫画ややおい文化の話をしているようで、実際はもっと広く「快楽の生まれ方」や「誤読の楽しさ」の構造を丁寧に見せてくれます。たとえば、少女漫画のフリルやリボンが、視点を変えるだけでフェティッシュとして立ち上がるあの感覚。自分でも薄々気づいていたけど言葉になっていなかった“読み方のクセ”を拾い上げてくれるのがありがたかったです。 さらに、この本は二次創作やパロディの快楽を、無理に崇高な行為として扱いません。むしろ「誤読してしまう方が楽しい」という、読者や作り手の正直な動機をそのまま肯定します。自分の中の“こう読んじゃうんだよな”という揺らぎが、文化のミームとして連綿と続いてきた流れの一部なんだと思えると、変な負い目がスッと消えていきます。 自分の嗜好や読み癖を、もう少しフラットに受け止めたい人に刺さる本だと思います。
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